価値ある生き方をするには,ただ生きるのでなく,常に卓越を目指す。これがJFMF MTP の根底にある信条です。この理念に添い,私達は単なる災害救援を行うのではなく,地域住民に復興への意志をもたらし、さらには,彼らが過去に優る未来を創るのに役立つ支援をしたいと願っています。

卓越の伝統                        

3次応答者とは、JFMF MTP同窓生がその理念と行動を再びここに生かして、東北の再開発に必要とされる課題に取り組むためのプロジェクトです。MTPは他に先駆けて、広範かつ集中的にコンピュータを使用して日米の学校が参加する環境やコミュニティ開発をテーマとする恊働プロジェクトを創った経験をもっています。これらのプロジェクトは,日米2国間の領域を越え,ルワンダ、モザンビーク,タンザニアの学校にも広がり、東北地方,とりわけ気仙沼市の学校が、この教育支援プログラムに参加し多大な貢献をしました。そして今,被災地気仙沼の学校は、その当時の運営レベルを取り戻すために、支援を必要としています。以下の写真や文章が、3次応答者が目標とする支援基準を語ります。

JFMF MTP活動の規模


MTPでは10年ほどの間に日米の広範囲にわたる200組もの学校と恊働プロジェクトを実施しました。地理的にまた社会経済的も多様な背景から参加校が選ばれましたが、中には多重障害や非常に恵まれない立場にある学校も含まれました。これは非常にシンプルな基準 - 最も恩恵を受けるのは誰か - という基準を適用したからです。応募校はプロジェクトを綿密に計画し,目に見える良い成果が学校や地域にもたらされるよう実施することが求められました。
恩恵は誰にという基準が与えられた機会を最大限に生かし、環境やテクノロジー教育全般の質の向上に貢献できるのはどの応募校かを選定するのにも役立ちました。環境をテーマとするプロジェクトでは、テクノロジーを学習過程に組み込んだ恊働調べ学習にすべての参加校が取り組みました。プロジェクト実施にあたって参加校は、大学、市民グループ、博物館、あるいは企業など各種組織から自発的支援を募り、コミュニティー作りとネットワーク作りを求められました。一方でMTPのプログラムコーディネータが、巡回展示などの特別教育イベントを通じて一般市民に意識が広まるよう活動しました。

教育が未来を創る


若者の心に将来への礎を築くのは教育です。教育は、過去にこうであったかも知れないと思う大人ではなく好奇心の先にある希望や願望をもつことのできる大人になってもらうよう、若者に可能性に対する好奇心や情熱を芽生えさせなくてはなりません。MTPプログラムで行ったその一例が「レゴ・火星探査機プロジェクト」と「未来都市コンテスト」です。このプログラムを通じて、生徒たちに想像力を働かせて火星環境や将来の環境を工夫・創造する機会が与えられました。
写真は、大西洋をはさんだ日米のロボット共同作業、未来都市コンテストの様子と奈良教育大学付属中学校の生徒たちです。奈良の中学生とアイオワ州、シーダーラッピズの生徒がパートナーを組み、お互いが創りだした火星環境の中で探査機の模型をリモートコントロールで動かしてみせました。未来都市の模型は(左下),気仙沼の生徒が環境災害に備えて,より安全な地域コミュニティーを描いて2007年に創ったものです。東日本大震災の後、奈良の生徒たちが被災地の学校が希望を持って未来を見つめることを願ったウエブサイトを立ち上げた際の写真(右下)です。

ビデオ会議


テクノロジーがMTP 活動の中心的役割を果たしました。プログラムに参加した日米の生徒たちは、毎月インターネットを利用してビデオ会議を行い、各々のプロジェクトの内容を報告したりお互いの言語を教えあったり、文化面での体験を語り合ったりします。こうして多くの忘れがたい友情がオンライン上に育まれていきました。

日本語レッスン


語学交換プログラムはMTPプログラムの中でも重要な一部でした。北九州市のひびき高等学校とワイオミング州ララミーのイースト高等学校との間で行われた語学交換授業に参加した生徒のひとりが授業の様子を写真などで説明し、次のように語っていました。「今回、ひびき高校の参加者はイーストハイスクールの生徒たちにハンバガーショップなどで使えそうな単語やフレーズを紹介しました。」生徒たちはこの場面の会話に役立ちそうな小道具の作成にかなりの時間を費やし、素晴らしい内容を作りました。参加者全員がこの作業に真剣に取組んだことは素晴らしいと思いました。このビデオ会議には3台のカメラを使用しました。一台目のカメラは解説者用に、2台目はフレーズの書き方や発音の紹介用に、そして3台目は実際に「場面会話」で演じている人達の映像を撮りました。

プログラム内容をビデオ会議で更に広げる


「この会議の主題は平和でした。参加した6名ほどの日本人学生は平和を訴える詩(しかも英語で!)を作り、それを読んできかせてくれました。モザンビークから来ていたルイスは彼の母国語で平和の歌を歌ってくれましたが、その前に彼の母国で起きた内戦やsculpture program(過去数年にわたって自転車、ミシン、その他同様の生活必需品を得るために60万丁にも及ぶ銃が売却された)について話してくれました。ジム・マッケルロイはカリフォルニア州トマーレスにあるショアーライン・ハイスクールと愛媛の松山工業高校との交流活動についても触れ、愛媛とモザンビークとの結びつきを強める活動もそのひとつだと述べています。

GPSとGIS(地理情報システム)の使用


和歌山の海南高等学校の生徒はアーカンソー州ユリーカスプリングスを訪問した折、GPSの使い方について学びました。地元海南市に戻るとすぐに市中から沢山の資料を集め、災害発生時の非難ルートのGISマップを作成しました。「トモエさんやユリエさんにGPSやGISの基本的な知識について知ってもらうことが出来ました。二人ともこれらの技術の素晴らしさを十分理解し、人口分布データや避難経路も含めたGISマップ作成に一層自信を深めたようでした。また彼らは我々が貸与したTrimble rover(GIS 装置)を使って実際の使用方法を習得する必要もありました。またこのことをESRIジャパンにも連絡し、彼らが引き続きソフトウエアの支援提供できるように手配しました。」とユリーカスプリングスのイーストハイスクールのミラ・フローロは語っています。

自然環境の保護


 

MTPでのペアプロジェクトの利用は我々二国間における水の利用や湿地帯の状況など特定の環境に対する懸念事項等に目を向けることにも役立っています。北海道釧路の生徒たちは水質や釧路湿原国立公園内の生物多様性について探索活動を行いましたが、一方で、フロリダ州ホームステッドの生徒たちはエヴァーグレーズ湿地帯の自然環境について同様の調査をしました。プログラムはまた、ホームステッドの教員アドワレ・アロンゲ博士を通じてナイジェリア文化への理解につながる扉を開くことにもなりました。

障害児に目を向ける


マスターテイチャープログラムの理念は教育の機会を向上させるという点に重点を置いています。即ち「恩恵を最大限に受けるのは誰か」を考え、その対象者を選択する基準を具体的に示しています。この基準のもと、対象となる人達の生活がより充実し、より豊かな学習経験の機会がもたらされるという観点に立って参加者の選抜を実施しました。このプログラムは国際交流等の機会に今まであまり関わることが少なかった、或いはそのような機会が全くなかった教育施設に対しても参加への道を開くものになりました。最新の技術の利用で、各国の障害を持った生徒たちが共通のプロジェクトへの参加が可能になり、自然環境の理解についても相互の関心を高めていくことができるようになりました。

日米共同理科教育ネットワークプログラム(CSSN)


CSSNプロジェクトでは日米の中学、高校の生徒たちがビデオ会議やネットワークでの意見交換を通じて行っている共同研究や調査のための相互訪問の機会を作りました。この交換訪問の期間中、両国の生徒たちが交流し、国立研究所などの施設で著名な科学者たちと一緒に調査研究に参加しました。彼らのプロジェクトは海洋生物のなぎさ(NaGISA)調査の実施(写真参照)、から日本のオオサンショウウオやAmerican Hell Bender (サンショウウオ)の遺伝子配列の調査研究にも及んでいます。リック・ヘルナンデス教諭がMTP 並びにCSSNに参加した結果、フロリダ州ナイスビルのナイスビル・ハイスクールは開発途上国を含めたなぎさ(NaGISA)調査の実施をグローバルな規模で拡大していく指導的な役割を果たすようになりました。その一方、ニュージャージー州のバーゲンアカデミーは広島県の国泰寺高校と共同で遺伝子についての調査及び情報交換を続けています。

バグズ − 統一中核プロジェクト


MTPは参加者の多様性を重要と考え、このプログラムを通じ、参加者一人ひとりに貴重な経験やその機会を提供してきました。また、共通の統一プロジェクトであるバグズ(BUGS - Biodiversity Understanding Global Systems)への参加を通じて個々人の独自性についての共通意識を育ててきました。このプロジェクトは生徒たちが学校近隣の生態系やそこに生息する昆虫類の多様性を調査しその分布を調べる活動を通じて生命の相互依存についての探究心を高めてきました。実際の調査では、生徒達が野外学習、ラボ研究、およびオンラインでの共同作業を総合し、各学校間のペアプロジェクトについて最終的にプレゼンテーションの段階にまで纏めることを学びました。3次応答者イニシアチブでもマッピングプロジェクトの実施を通じてチーム育成に同様な方法をとっていきます。

 

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