地図プロジェクト                  


東北の地域社会は、地震、津波、広範囲に及んだ火事、原子力発電所の惨事が次々と引き起こされたことにより、想像を絶するほどの被害を受けました。それにも関わらず、そこに暮らす人々は立ち直ろうとする力を持ち、自分達の未来を計画したいと考えています。その計画を進める被災者支援ために、3次応答者イ二シャチブはマッピングプロジェクトとして、被災者が自分達の状況を可視化することができるシステムを作っています。このプロジェクトでは3つの地図を作り出すことを目指しています。その3つとは、過去(遺産)、現在(課題)、そして未来(可能性/発展性)です。この3つの地図は、被災者の居住地再建に関わることがらに焦点を当て、ドクシアディスの言う「自然」「個人」「人々」「外殻」「ネットワーク」とそれをまとめる「統合」という概念を用います。これに沿って、それぞれの地図上で家庭や地元の企業・公共施設に焦点が当てられることになります。

「過去(自然と個人)の地図」は、地域社会での伝統やその土地の伝承、家族で受け継いでいる伝統的文化遺産などに焦点を当て、住居を失った人々、中でも高齢者へのインタビューを通して作られていきます。また亡くなった方々の仕事や人生が地域社会の未来に与える影響を認識しそれが生きた記念碑となるようコミュニテイーの住民の生活を再建していくことを追求します。ここで使われるデータは文字、写真、ビデオ、録音された音声などで、特別なGoogle Earth Map上に掲載されます。

「現在(人々と外殻)の地図」は住民の所在や家屋の状況を把握する地域社会に関する複数の調査を利用します。長期に亘って離散せざるをえない間もずっと存続する地域社会の存在を可視化するのに役立つでしょう。住民の現在の状況を明らかにし、また仮想の空間と場所を作ることによってコミュニテイの他の住民に会ったり交流したりする機会を創りだすことで、可視化が可能になります。このような空間や場所は、オンラインでやりとりするメッセージと同様に簡単なものから、双方向バーチャルリアリティのプラットフォームのような高機能のものまで可能です。このような場所としては、カフェやお年寄りのための集会所だけでなく、バーチャルな市役所、学校、クラブなども考えらえます。ここで用いられるデータにはナビーゲーションができたり仮想リアリテイの要素を持つものと同時に現在の国勢調査資料や文字、写真、ライブビデオ、オーデイオなどが含まれます。

「未来(ネットワークと統合)の地図」は、地域社会の未来に向けて既存のものに代わる未来の都市計画について思いを巡らしかつ話し合う機会を提供するなど、地域社会の住民全員が参加できます。社会的合意を促進するよう設計されたシステムを応用することによりソーシャルネットワーキングを地域社会の意思決定に統合します。このシステムはWikipediaと似た“mash-up”の手法を利用しますが、これによって利用者が協力し合って新しい未来を思い描くことを可能にします。これはまた、代替企画案を生み出すことを可能にし、東北ルネッサンスの着手へと統合することができるようになります。ここで用いられるデータには、文字、写真、図面、模型、コミュニテイーのシステムモデルや画像を創りだす事のできるソフトによるインプットも含みます。

 

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